Evidence-based teaching for elementary schools
小学校教員のための教育エビデンス・ポータル
エビデンスを、
現場の指導へ。
経験と勘に、もうひとつの視点を。
日々の指導や教育施策を「研究で確かめられた知見」から見つめ直すための場所です。
国内外の教育研究を「効果」「信頼性」「コスト」「出典」の4指標で整理し、日本の小学校の現場で使える形に翻案して公開しています。
Find by your concern
現場の悩みから、エビデンスを探す。
指導法の一覧から入る前に、まず日々の悩みから関連するエビデンスをたどれます。
- 学級経営
学級が落ち着かない・荒れている
全体への一律指導より、困っている子への個別対応の方が効率的というのが EEF の知見。教師と子どもの関係性を土台に、行動への明示的な働きかけと SEL を重ねる。
4 件の指導法 1 件のコラム - 授業
子どもが集中しない・受け身
明確なフィードバックと、自分の学びを振り返るメタ認知が主体性の土台。協同学習と対話で『話す/聞く/考える』の回路を増やす。
4 件の指導法 1 件のコラム - 授業
学力差が大きい・つまずきがある
少人数指導と足場かけで、子どものつまずきの段階に応じた支援を。個別計画は『困難の大きい子』に焦点を絞る方が効率的。
4 件の指導法 2 件のコラム - 教員自身のキャリア
若手・新任でどこから始めるか
効果とコストのバランスから選ぶ。フィードバックとメタ認知は低コストで効果が大きく、最初の一歩に向く。読解・口頭言語・フォニックスは低学年での土台づくりに。
5 件の指導法 1 件のコラム
+◯ヶ月(緑) =
この指導法を取り入れた学級は、1年後に通常より◯ヶ月分先に進んだ。取り入れる価値のある指導法。
(-◯ヶ月)(赤) =
逆に、◯ヶ月分遅れた。やらない方がよかった指導法。
★ は「その数字をどこまで信じていいか」を表します。
★が多い = 多くの質の高い研究で繰り返し確かめられている。
★が少ない = 研究がまだ少なく、数字が変わる可能性がある。
月数と★をセットで見ることで、より確かな判断ができます。
過大評価の可能性あり
★が多い方が信頼できる
※ 月数は集団の平均値であり、個々の教室への効果を保証しません。 指標の読み方 →
【重要】 この月数はテストで測れる学力への効果を示したものです。 非認知能力・社会性・ウェルビーイングなど、学力以外の側面も教育では同じく大切です。月数が小さくても、そうした面で大きな価値を持つ指導法があります。
このサイトの「+◯ヶ月」は主に 英国 Education Endowment Foundation(EEF) の Teaching and Learning Toolkit に基づいています。
EEF は英国政府が設立した教育研究財団で、数百〜数千本の研究を統合したメタ分析をもとに、30以上の指導法を「効果」「信頼性」「コスト」の3指標で評価・公開しています。世界中の教育政策で参照される、最も体系的な教育エビデンスの一つです。
本サイトでは EEF のデータに加え、日本の研究者によるエビデンス(中室牧子・松岡亮二・赤林英夫 他)と、 Hattie の Visible Learning のデータを併記しています。
Visible Learning は、ジョン・ハッティが800以上のメタ分析を統合し、250以上の教育要因を効果量で順位づけした研究プロジェクトです。影響力は非常に大きいですが、効果量が楽観的に出やすい傾向があり、独立した研究で再現されない値もあります。本サイトでは EEF を主とし、Hattie は参考値として扱っています。
各指導法に EEF 日本 Hattie のバッジがついており、どの出典に基づくかが一目でわかります。
※ EEF の数値は英国の学校を対象としたものです。日本の教室にそのまま当てはまるとは限りません。各指導法ページに「日本の文脈で考慮したいこと」を記載しています。 エビデンスと文化的文脈 →
「多重知能理論」は子どもの「個性」を分類できるのか — 8つの知能と構成概念妥当性の現在地
日本では「個性を伸ばす」「多様な学び」の根拠として教員養成やキャリア教育で広く引用される多重知能理論。だが知能の神経的な相関も標準的な測定法も見つからず、近年は「神経神話」として整理されている。学習スタイルとは別物であること(ガードナー自身が明言)と、知能をテスト得点に還元しないという貢献は保ちつつ、エビデンスを踏まえて整理する。
給食無償化は何を変えるのか — 政策目的とエビデンスを整理する
2026年4月、公立小学校の給食が全国一律で無償化された。この政策は何を目的としていて、研究は何を示しているのか。自治体の政策目的、米国主軸の先行研究、そして日本の制度文脈との差を整理する。
通常学級の 8.8% — 特別支援教育のエビデンス、教員ができること
通常学級で「学習面または行動面で著しい困難を示す」児童生徒は 8.8%(文科省 2022)。1クラス 3 人相当。この現実に対してエビデンスが示すのは「特別な指導」ではなく、質の高い通常授業の 5 原則だった。