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Strategy — 最終更新 2026-04-18

EEF Hattie

指導法

相互教授法

子ども同士が「先生役」を交代しながら、予測・質問・明確化・要約の4つの読解方略を使って文章を読み深める指導法。読解テストで特に大きな効果。

学習効果
+5ヶ月
3月時点で、通常より約5ヶ月先の学力水準に到達
エビデンス
★★★★☆
コスト
¥····
対象
国語 · 全教科
中学年 · 高学年
Evidence Breakdown

出典別のエビデンス

EEF Toolkit 0 ヶ月 ★★★ ☆☆

EEF Toolkit に相互教授法の独立したエントリは無い。関連する読解戦略指導(+7)の中核的手法として位置づけられる。

Hattie (Visible Learning) d = 0.74

Hattie の効果量は他のメタ分析と比べて楽観的な傾向があり、再現性に疑問が示されている場合があります。参考値としてお読みください。詳しくは エビデンスの文脈 を参照。

Hattie の メタ分析を統合した教育研究。効果量で指導法を順位づけ">Visible Learning で d=0.74。Rosenshine & Meister(1994)の16研究メタ分析では、読解全般で d=0.32、読解理解テストで d=0.88 と幅がある。What Works Clearinghouse(2010)も一定の効果を確認。

Technical Appendix 研究の詳細
研究数
16 件
総サンプルサイズ
初等〜中等教育(16 実験研究、主に英語圏の読解)
効果量
中央値 — 標準化テスト 0.32、実験者開発テスト 0.88
主要メタ分析
エビデンスの限界

測定テストの種類で効果量が大きく変動(標準化 0.32 vs 実験者開発 0.88)。4 方略(予測・質問・明確化・要約)の明示的指導と対話的支援が鍵。1994 年のメタ分析のため、近年の知見と合わせて解釈する必要がある(Hattie d=0.74 等の値あり)。日本語読解への翻案では語彙・統語の違いを踏まえる。

日本の文脈で考慮したいこと

日本の国語授業でも「音読」「質問」「要約」の活動は広く行われているが、Palincsar & Brown(1984)の相互教授法の核心は『先生役を交代する』『4つの方略を明示的に教える』こと。日本でよく行われる「順番に読む」「感想を言い合う」とは異なる構造化された手法。日本の班活動に相互教授法の枠組みを意識的に組み込むことで、読解戦略の内面化が促進される可能性。

なぜこの注記があるか:エビデンスと文化的文脈

目次(7)
  1. 一言でいうと
  2. なぜ効果があるのか
  3. 日本の小学校で取り入れるヒント
  4. 研究からわかっていること
  5. 注意したいこと
  6. 主な参考研究
  7. 関連する学習指導要領

一言でいうと

文章を読むとき、子どもが交代で「先生役」になり、予測する・質問する・わかりにくいところを明確にする・要約するという4つの方略を使いながら読み合う指導法です。 教師が読み方の見本を見せた後、徐々に子ども主導に移行します。

なぜ効果があるのか

多くの子どもは「読む」とは文字を追うことだと思っています。しかし熟達した読み手は、読みながら予測を立て、疑問を持ち、わからない部分を解決し、要点をまとめるという戦略を無意識に使っています。 相互教授法は、この「熟達した読み手の頭の中」を4つの方略として外化し、子どもに体験させます。 先生役を務めることで理解が深まり、他者の読みから学ぶことで多様な視点が得られます。

日本の小学校で取り入れるヒント

  • まず教師が「先生役」を実演し、4つの方略を声に出して見せる(モデリング)
  • 4人程度の小グループで、1段落ずつ先生役を交代しながら読み進める
  • 国語の説明文だけでなく、理科の教科書や社会の資料文にも応用できる
  • 最初は「要約」と「質問」の2つだけから始め、慣れたら4つに広げる
  • 方略カード(予測・質問・明確化・要約)を手元に置くと子どもが動きやすい

研究からわかっていること

  • 平均的に約5ヶ月分の学習効果があり、読解力の向上に特に強いエビデンスがあります(Rosenshine & Meister 1994)。
  • 読解が苦手な子どもほど効果が大きい傾向があります。
  • 4つの方略を単独で教えるより、組み合わせて使う方が効果的です。
  • 教師主導から子ども主導への段階的な移行(足場かけ)が成功の鍵です。

注意したいこと

  • 方略の「形」だけをなぞっても効果は出ません。子どもが本当に考えているかを教師が見取ることが重要です。
  • 低学年には4つの方略すべてを同時に導入するのは負荷が高すぎます。段階的に始めてください。
  • グループ内で発言が偏らないよう、役割を明確にし、全員が先生役を経験できるようにします。

主な参考研究

  • Palincsar, A. S., & Brown, A. L. (1984). Reciprocal teaching of comprehension-fostering and comprehension-monitoring activities. Cognition and Instruction, 1(2), 117–175. — 相互教授法の原典。4つの読解方略を教師と生徒が交代で実践する手法を提案し、劇的な読解力向上を実証。
  • Rosenshine, B., & Meister, C. (1994). Reciprocal teaching: A review of the research. Review of Educational Research, 64(4), 479–530. — 16研究のメタ分析。標準化テストと研究者作成テストの両方で有意な効果を確認。

関連する学習指導要領

  • 小学校学習指導要領解説 総則編 — 「主体的・対話的で深い学び」における対話的な学びの実現に向けて、子ども同士が教え合い学び合う活動が重視されています。相互教授法はその具体的な手立ての一つです。
参考にしている情報源
Rosenshine & Meister (1994) Reciprocal teaching: A review of the research. Review of Educational Research, 64(4)