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Strategy — 最終確認 2026-09-06

EEF

指導法

屋外学習

自然や校外での体験を伴う学習。EEF は冒険的な屋外学習について、確実性不足として学力効果の月数を公表していない(社会科見学や森の学校は対象外)。自己肯定感や協働性への効果は報告されている。

学習効果
測定なし
学力への効果を月数で示せる研究がない
エビデンス
★★☆☆☆
コスト
¥¥¥¥·
対象
生活 · 理科 · 社会
全学年
Evidence Breakdown

出典別のエビデンス

EEF Toolkit

EEF が対象としているのは冒険的な屋外学習で、正規の学習活動を伴わないものを想定しているため、森の学校や社会科見学は対象に含まれていない。その範囲で、学力への効果について月数を公表していない。確実性評価が 5 段階中 0(extremely low)で、対象となった研究が 6 件しかなく、いずれも独立評価を受けていないため。EEF はこれを「効果が無い証拠ではなく、学力への効果について確かなエビデンスが無いということ」と明記している。月数の取り下げは 2021 年 7 月のレビュー(9 研究)からで、2025 年 10 月の更新では研究数が 6 件に減った。EEF は、学力への効果とは別に、自己効力感・動機づけ・チームワークといった成果への正の効果が報告されていると述べている。ただし効果の大きさはプログラムや測る成果の種類によって大きくばらつく。

Technical Appendix 研究の詳細
研究数
96 件
総サンプルサイズ
冒険教育プログラムの 96 研究・151 独立サンプル・1,728 効果量のメタ分析
効果量
プログラム終了時の平均効果量 d = 0.34。多くの教育研究と対照的に、終了後の追跡期間にさらに +0.17 の上乗せ効果。効果はプログラムが長いほど・参加者の年齢が高いほど大きい。ただしこの 0.34 は自己概念・統制の所在・リーダーシップなど多様な成果を合算した平均であり、教科学力単独の効果量ではない
主要エビデンスレビュー
エビデンスの限界

測定されたアウトカムは自己概念・統制の所在・リーダーシップなど非認知面が中心で、教科学力への直接効果のエビデンスではない。効果はプログラムとアウトカムにより大きくばらつき、著者ら自身が『なぜ機能するのか』の解明は不十分と明記している。対象には年長の参加者・長期プログラム(Outward Bound 型)が多く、小学校の短期の野外学習にそのまま当てはまるとは限らない。自己肯定感・協働性への効果が学力への効果より大きいことは EEF の整理とも一致する。

日本の文脈で考慮したいこと

日本の小学校は『生活科』『総合的な学習の時間』『宿泊学習』『遠足・校外学習』で屋外学習を既に多く実施しており、EEF の屋外学習は日本のカリキュラムに既に深く組み込まれている。新規導入の効果量ではなく、既存の体験学習の『質』を高める観点で EEF 知見を参照するのが適切。コスト(+4)が高いのは日常的な導入を想定した場合の値。

なぜこの注記があるか:エビデンスと文化的文脈

目次(7)
  1. 一言でいうと
  2. なぜ非認知面に効くと考えられるのか
  3. 日本の小学校で取り入れるヒント
  4. 研究からわかっていること
  5. 注意したいこと
  6. 主な参考研究
  7. 関連する学習指導要領

一言でいうと

教室を離れて自然や地域の中で学ぶ取り組みです。 EEF は確かなエビデンスが無いとして学力への効果の月数を示していませんが、自己肯定感や協働性、学習意欲への効果は報告されています。

なぜ非認知面に効くと考えられるのか

教室で学んだ知識を、現実の場面で使う体験は、子どもの理解を立体的にすると考えられています。 また、普段とは違う環境で挑戦する経験は、自己肯定感や他者と協力する力を育てるとされています。 教科書では出会えない学びの質があります。

日本の小学校で取り入れるヒント

  • 生活科・理科で、校庭や近隣の自然を観察対象にする時間を意図的に作る
  • 社会科見学を「行って終わり」にせず、事前の問いと事後の振り返りを丁寧に行う
  • 宿泊学習や野外活動の目的を、子どもにも明確に共有する
  • 教室に戻ってから、現地で得た情報を学級で共有・整理する時間を取る
  • 学校行事として消化せず、単元の中に位置づける

研究からわかっていること

  • 学力への効果について、EEF は確実性が足りないとして月数を公表していません。効果が無いという意味ではなく、確かなエビデンスが無いという意味です。
  • 本サイトはこのページの効果量を「測定なし」(学力効果を月数で示せる研究が無い)、エビデンスの強さを★2 として独自に評価しています。EEF 自身の確実性評価は 5 段階中 0 です
  • 非認知能力(粘り強さ・自信・協働性)への効果が報告されています。ただし効果の大きさはプログラムや測る成果の種類によって大きくばらつきます。
  • 効果は、プログラムが長いほど、参加者の年齢が高いほど大きいと報告されています。

注意したいこと

  • 「行くこと」自体が目的化しないよう、学習目的を明確にします。
  • 安全管理の負担が大きく、現場の業務量とのバランスが課題です。
  • 体験を振り返る時間がないと、印象だけが残って学びにつながりにくくなります。

主な参考研究

  • Rickinson, M., et al. (2004). A review of research on outdoor learning. NFER & King’s College London. — 屋外学習の効果を包括的にレビュー。認知・情意・社会性の各領域で正の効果を報告。
  • Becker, C., Lauterbach, G., Spengler, S., Dettweiler, U., & Mess, F. (2017). Effects of regular classes in outdoor education settings: A systematic review on students’ learning, social and health dimensions. International Journal of Environmental Research and Public Health, 14(5), 485. — 屋外での定期的な授業が学力と非認知能力に与える効果を系統的にレビュー。
  • Outdoor adventure learning. Education Endowment Foundation, Teaching and Learning Toolkit. — 2021年7月のレビュー(9研究)以降、学力への効果について月数を公表していない。2025年10月の更新(6研究)でも確実性評価は 5 段階中 0(extremely low)のまま。学校生活の幅を広げる面での価値は、学力への効果とは別に述べられている。

関連する学習指導要領

参考にしている情報源
EEF Teaching and Learning Toolkit — Outdoor adventure learning
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