一言でいうと
教室を離れて自然や地域の中で学ぶ取り組みです。 EEF は確かなエビデンスが無いとして学力への効果の月数を示していませんが、自己肯定感や協働性、学習意欲への効果は報告されています。
なぜ非認知面に効くと考えられるのか
教室で学んだ知識を、現実の場面で使う体験は、子どもの理解を立体的にすると考えられています。 また、普段とは違う環境で挑戦する経験は、自己肯定感や他者と協力する力を育てるとされています。 教科書では出会えない学びの質があります。
日本の小学校で取り入れるヒント
- 生活科・理科で、校庭や近隣の自然を観察対象にする時間を意図的に作る
- 社会科見学を「行って終わり」にせず、事前の問いと事後の振り返りを丁寧に行う
- 宿泊学習や野外活動の目的を、子どもにも明確に共有する
- 教室に戻ってから、現地で得た情報を学級で共有・整理する時間を取る
- 学校行事として消化せず、単元の中に位置づける
研究からわかっていること
- 学力への効果について、EEF は確実性が足りないとして月数を公表していません。効果が無いという意味ではなく、確かなエビデンスが無いという意味です。
- 本サイトはこのページの効果量を「測定なし」(学力効果を月数で示せる研究が無い)、エビデンスの強さを★2 として独自に評価しています。EEF 自身の確実性評価は 5 段階中 0 です
- 非認知能力(粘り強さ・自信・協働性)への効果が報告されています。ただし効果の大きさはプログラムや測る成果の種類によって大きくばらつきます。
- 効果は、プログラムが長いほど、参加者の年齢が高いほど大きいと報告されています。
注意したいこと
- 「行くこと」自体が目的化しないよう、学習目的を明確にします。
- 安全管理の負担が大きく、現場の業務量とのバランスが課題です。
- 体験を振り返る時間がないと、印象だけが残って学びにつながりにくくなります。
主な参考研究
- Rickinson, M., et al. (2004). A review of research on outdoor learning. NFER & King’s College London. — 屋外学習の効果を包括的にレビュー。認知・情意・社会性の各領域で正の効果を報告。
- Becker, C., Lauterbach, G., Spengler, S., Dettweiler, U., & Mess, F. (2017). Effects of regular classes in outdoor education settings: A systematic review on students’ learning, social and health dimensions. International Journal of Environmental Research and Public Health, 14(5), 485. — 屋外での定期的な授業が学力と非認知能力に与える効果を系統的にレビュー。
- Outdoor adventure learning. Education Endowment Foundation, Teaching and Learning Toolkit. — 2021年7月のレビュー(9研究)以降、学力への効果について月数を公表していない。2025年10月の更新(6研究)でも確実性評価は 5 段階中 0(extremely low)のまま。学校生活の幅を広げる面での価値は、学力への効果とは別に述べられている。
関連する学習指導要領
- 小学校学習指導要領解説 生活編 — 低学年の生活科で、自然や社会との直接的な体験活動が教科の核として位置づけられています。
- 小学校学習指導要領解説 理科編 — 自然の事物・現象についての直接体験を通じた学びが重視されています。