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Strategy — 最終更新 2026-05-05

EEF

指導法

放課後学習・学習時間の延長

放課後補習や長期休暇中の学習など、授業時間外の学習機会を増やす取り組み。効果はあるがコストとのバランスが課題。

学習効果
+3ヶ月
3月時点で、通常より約3ヶ月先の学力水準に到達
エビデンス
★★★☆☆
コスト
¥¥¥··
対象
全教科
全学年
Evidence Breakdown

出典別のエビデンス

EEF Toolkit + 3 ヶ月 ★★★ ☆☆

EEF Toolkit で +3ヶ月・エビデンス★3。単に時間を延長するだけでは効果は限定的で、延長時間の『質』(少人数・targeted・構造化)が効果を決める。社会経済的に不利な子どもでより大きな効果が見られる傾向。コスト(+3)も大きな負担。

日本の文脈で考慮したいこと

日本では放課後児童クラブ(学童保育)・放課後子供教室が広く整備されているが、これらは 保育・居場所機能が主で学習支援機能は副次的EEF の知見が示すのは『時間を増やせば学力が上がる』のではなく『質の高い追加介入が必要』という点。教員の働き方改革と逆行するため、導入には外部人材(学習支援員・地域ボランティア)との組み合わせが現実的。

なぜこの注記があるか:エビデンスと文化的文脈

目次(7)
  1. 一言でいうと
  2. なぜ効果があるのか
  3. 日本の小学校で取り入れるヒント
  4. 研究からわかっていること
  5. 注意したいこと
  6. 主な参考研究
  7. 関連する学習指導要領

一言でいうと

放課後の補習、早朝学習、長期休暇中の学習会など、通常の授業時間以外に学習機会を追加する取り組みです。効果は+3ヶ月と一定ありますが、教師の負担やコストとのバランスが課題になります。

なぜ効果があるのか

学習時間が増えれば、練習や復習の機会が増えます。特に授業内でつまずいた内容を補充する時間として使われた場合に効果が出ます。ただし、単に時間を延ばすだけではなく、延長された時間の中で何をするかが効果を左右します。

日本の小学校で取り入れるヒント

  • 放課後学習は「全員一律」ではなく「つまずきのある子」に焦点を当てると効果的
  • 補習の内容は授業の延長ではなく、個別のつまずきに対応する形にする
  • 夏休みの学習会は、学習習慣の維持と復習に焦点を絞る
  • 教師の負担を考慮し、地域ボランティアや学習支援員との連携を検討する
  • 子どもの放課後の生活(遊び・習い事・休息)とのバランスに配慮する

研究からわかっていること

  • 平均的に+3ヶ月の効果があります
  • 効果は、追加された時間の「質」に大きく依存します。ただ座っている時間を増やすだけでは効果が出ません
  • 学力の低い子への集中的な補習で最も効果が大きくなります
  • 夏休み中の学習支援(サマースクール)は、長期休暇中の学力低下を防ぐ効果があります

注意したいこと

  • 教師の負担増加が最大の課題です。持続可能な運営体制が不可欠
  • 子どもにとっても「また勉強」はストレスになり得ます。動機づけの工夫が必要
  • 放課後学習が「罰」のように感じられると逆効果です。ポジティブな位置づけにする
  • 授業そのものの質を高めることの方が、時間延長より費用対効果が高い場合が多い

主な参考研究

  • Meyer, E., & Van Klaveren, C. (2020). How deficiency subsidies could reduce inequality in education. Economics of Education Review, 78. — 放課後学習の効果は特に低学力層で大きいことを示した研究。
  • Extending School Time. Education Endowment Foundation, Teaching and Learning Toolkit. — 効果量 +3 ヶ月。時間の延長そのものより、延長された時間の質が効果を大きく左右することを指摘。
  • Cooper, H., Charlton, K., Valentine, J. C., & Muhlenbruck, L. (2000). Making the most of summer school. Monographs of the Society for Research in Child Development, 65(1). — サマースクールの効果を包括的にレビュー。

関連する学習指導要領

参考にしている情報源
EEF Teaching and Learning Toolkit — Extending school time