一言でいうと
毎朝、始業前の10分間、クラス全員が自分の好きな本を静かに読む活動です。1988年に千葉県の高校で始まり、日本中の学校に広がりました。現在、多くの小学校で実施されています。
なぜ効果があるのか
読書量の多い子どもは語彙が豊かで、読解力が高い傾向があります。朝読書の強みは「全員が毎日読む」という習慣化にあります。1回の効果は小さくても、年間200日近く積み重ねることで、読書への親しみと基礎的な読解力を育てます。また、授業の前に静かに集中する時間を持つことで、その後の学習への移行がスムーズになるという報告もあります。
日本の小学校で取り入れるヒント
- 朝読書の4原則を守る:「みんなでやる」「毎日やる」「好きな本を」「ただ読むだけ」
- 感想文や読書記録を義務化しない(義務化すると読書嫌いを生む)
- 学級文庫を充実させ、手に取りやすい環境を作る
- 教師も一緒に読む(子どもは教師の姿を見ている)
- 低学年では絵本・図鑑でもOKとし、ハードルを下げる
研究からわかっていること
- 文部科学省の調査では、読書活動がテスト結果に間接的に好影響を与えることが示されています
- 読書量と語彙力・読解力には正の相関が繰り返し確認されています
- 朝読書の効果に関するRCTは限られていますが、広範な相関研究が実施されています
- 効果は、読書習慣のない子に対して特に大きい傾向があります
注意したいこと
- 朝読書は「読書好きな子がさらに読む」場になりやすく、読書嫌いの子には工夫が必要です
- 本を忘れた子が手持ち無沙汰にならないよう、学級文庫を常備します
- 感想文の強制など、読書を「課題」にしてしまうと効果を損ないます
- 10分間の確保が難しい学校では、週に数回からでも始められます
主な参考研究
海外の研究(効果量の根拠)
- Krashen, S. (2004). The power of reading: Insights from the research (2nd ed.). Libraries Unlimited. — 自由読書(Free Voluntary Reading)の効果を包括的にレビュー。読書量と読解力・語彙力の強い関連を示した。
日本の研究・公式資料
- 文部科学省 (2010). 「読書活動と学力・学習状況の関係に関する調査研究」. — 読書活動がテスト結果に間接的に好影響を与えることを示した国内調査。読書量と語彙力の正の相関を確認。
- 林公 (2010). 「朝の読書の実践と効果に関する調査研究」『学校図書館』715, 15–20. — 日本の朝読書の実施状況と効果を調査。読書への親しみと集中力への正の効果を報告。
注記
効果量(+3ヶ月)は相関研究からの推定値であり、朝読書そのものの効果を検証したRCTは国内外ともに存在しません。Krashen(2004)の自由読書研究や文部科学省の調査研究は相関関係を示すものであり、因果効果の実証には至っていません。
関連する学習指導要領
- 小学校学習指導要領解説 総則編 — 「読書活動の充実」として、学校図書館の活用や読書活動の推進が求められています。