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Strategy — 最終更新 2026-04-14

EEF 日本研究

指導法

探究学習

子どもが自ら問いを持ち、調べ、考え、まとめ、表現する学習。教師の適切なガイダンスがある場合 +5ヶ月(Lazonder & Harmsen 2016, d=0.50)。ただし EEF の PBL 試験では放任型は正効果を示さず、低所得層には負効果の報告もある。

学習効果
+5ヶ月
3月時点で、通常より約5ヶ月先の学力水準に到達
エビデンス
★★★☆☆
コスト
¥¥···
対象
総合 · 理科 · 社会 · 全教科
中学年 · 高学年
Evidence Breakdown

出典別のエビデンス

EEF Toolkit 0 ヶ月 ★★ ☆☆☆

EEF が実施した Project-Based Learning 試験では学力への正の効果は確認されず、低所得層には負の影響も報告された。EEF Toolkit に Inquiry-Based Learning の独立したエントリは無く、関連手法として Metacognition(+8) が推奨されている。

日本研究 + 5 ヶ月 ★★★ ☆☆

日本の『総合的な学習の時間』は探究学習の一形態。Lazonder & Harmsen の国際メタ分析(72研究、d=0.50)は、ガイダンス付きの探究が学力に正の効果を持つことを示している。「放任」ではなく「足場かけ」が鍵。

日本の文脈で考慮したいこと

日本の「総合的な学習の時間」は世界的にも先進的な探究学習の枠組みだが、『放任』と『ガイダンス付きの探究』の区別が曖昧な実践も多い。Lazonder & Harmsen のメタ分析が示すように、教師のガイダンス(問いの立て方、調査方法、結果のまとめ方)の質が効果を決めるEEFPBL 試験が示す負の効果も、構造化されていない自由探究に起因する。「子どもに任せる」のではなく「探究の方法を明示的に教える」姿勢が必要。

なぜこの注記があるか:エビデンスと文化的文脈

目次(10)
  1. 一言でいうと
  2. なぜ効果があるのか
  3. 日本の小学校で取り入れるヒント
  4. 研究からわかっていること
  5. 注意したいこと
  6. 主な参考研究
  7. 海外のメタ分析(効果量の根拠)
  8. 日本の研究・公式資料
  9. 注記
  10. 関連する学習指導要領

一言でいうと

子どもが自分で問いを立て、情報を集め、分析し、結論を導く学習活動です。日本の学習指導要領では「総合的な学習の時間」の柱であり、「主体的・対話的で深い学び」の実現形でもあります。

なぜ効果があるのか

知識を「教わる」だけでなく、自分で「見つける」プロセスを経験することで、子どもの理解は質的に深くなります。探究を通じて、情報を集める力、分析する力、伝える力が統合的に育ちます。また、自分の問いに向き合う経験は、学習への内発的動機を高めます。

日本の小学校で取り入れるヒント

  • 「総合的な学習の時間」を、探究のサイクル(課題設定→情報収集→整理分析→まとめ表現)で設計する
  • 教師が答えを持っている課題ではなく、教師にも答えが分からない本物の問いに取り組ませる
  • 理科の実験を「手順通り」にやるだけでなく、仮説を立てる段階を子どもに委ねる
  • 社会科の調べ学習で「調べて終わり」にせず、「だから何が言えるか」まで考えさせる
  • 探究の成果を他者に伝える場(発表会・ポスターセッション)を設ける

研究からわかっていること

  • Lazonder & Harmsen (2016)のメタ分析では、探究学習のガイド付き介入の効果量はd≈0.50と報告されており、約5ヶ月分の学習効果に相当します
  • ガイド(足場かけ)を伴う探究の方が、完全に自由な探究より効果が大きい傾向があります
  • 効果は理科で最も多く検証されていますが、社会科や総合的な学習でも確認されています

注意したいこと

  • 「何でも自由に」は探究ではありません。教師の足場かけ(問いの絞り方・調べ方の指導)が不可欠です
  • 探究のスキル(問いの立て方・情報の集め方・まとめ方)を段階的に教える必要があります
  • 低学年では抽象的な探究は難しいため、生活科の体験活動を通じて基礎を育てます
  • 時間がかかるため、単元計画とのバランスに工夫が必要です

主な参考研究

海外のメタ分析(効果量の根拠)

日本の研究・公式資料

注記

効果量(+5ヶ月)は海外のメタ分析(Lazonder & Harmsen 2016, d=0.50)に基づいています。日本の「総合的な学習の時間」そのものの効果を厳密に検証したRCTは存在しません。ただし、全国学力調査の質問紙データでは、探究的な学習に取り組んでいる児童の学力が高いという相関が繰り返し確認されています。

関連する学習指導要領

参考にしている情報源
Meta-Analysis of Inquiry-Based Learning — Lazonder & Harmsen, 2016