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Strategy — 最終更新 2026-05-05

EEF

指導法

メンタリング

大人や年長者が子どもに寄り添い、学習面・生活面の支援を行う取り組み。学力への効果は小さいが、非認知面での好影響が報告される。

学習効果
+2ヶ月
3月時点で、通常より約2ヶ月先の学力水準に到達
エビデンス
★★★☆☆
コスト
¥¥¥··
対象
全教科
全学年
Evidence Breakdown

出典別のエビデンス

EEF Toolkit + 2 ヶ月 ★★★ ☆☆

EEF Toolkit で +2ヶ月・エビデンス★3。学力への効果は小さいが、非認知スキル(自信・動機づけ・登校継続)への効果が報告される。Dubois et al.(2011)の 73 プログラムメタ分析でも学力効果は限定的だが、行動・情動面への効果は明確。

日本の文脈で考慮したいこと

日本では担任教師が学習・生活・進路の全面的な支援を担う構造で、欧米型の外部メンター制度は馴染みが薄い。近年は不登校支援の『校内別室指導員』『スクールサポートスタッフ』など、メンタリング的な役割が制度化されつつある。学力への直接効果は期待せず、関係性・自己肯定感・登校継続といった非認知目標に焦点を当てる使い方が適切。

なぜこの注記があるか:エビデンスと文化的文脈

目次(7)
  1. 一言でいうと
  2. なぜ効果が限定的なのか
  3. 日本の小学校で取り入れるヒント
  4. 研究からわかっていること
  5. 注意したいこと
  6. 主な参考研究
  7. 関連する学習指導要領

一言でいうと

大人や年長者が、特定の子どもと継続的な関係を築き、学習面・生活面の相談や支援をする取り組みです。学力への直接効果は+2ヶ月と小さめですが、子どもの自己肯定感・学校適応・行動面に好影響が報告されています。

なぜ効果が限定的なのか

メンタリングは「教える」ことよりも「寄り添う」ことが中心です。子どもにとって安心できる大人の存在は重要ですが、それだけでは教科の学力は直接伸びません。学力向上を目指すなら、メンタリングと教科指導(個別指導・フィードバック)を組み合わせる設計が必要です。

日本の小学校で取り入れるヒント

  • 特定の子ども(不登校傾向・家庭的に困難・自己肯定感の低い子)に対し、担任以外の教師が定期的に声をかける
  • スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとの連携
  • 地域のボランティア(読み聞かせ・放課後学習支援)を「顔の見える大人」として位置づける
  • 異学年交流で高学年が低学年のメンターになる取り組み
  • メンターは「指導者」ではなく「伴走者」の立場を意識する

研究からわかっていること

  • 学力への効果は+2ヶ月。教科指導を含むメンタリングの方が効果が大きい
  • 非認知面(自己肯定感・行動・学校適応)への効果は、学力への効果より大きい傾向
  • 効果は関係性の質と期間に依存する。短期間では効果が出にくい
  • 構造化された(目標・頻度・内容が明確な)メンタリングの方が効果的

注意したいこと

  • 学力向上を主目的とするなら、メンタリング単独より個別指導や少人数指導の方が効果的です
  • メンターの質が問われます。訓練なしにボランティアを配置しても効果は出にくい
  • 子どもとメンターの相性が合わない場合の対応(組み替え)を事前に想定する
  • 依存関係にならないよう、子どもの自立を促す関わりが求められます

主な参考研究

  • DuBois, D. L., Portillo, N., Rhodes, J. E., Silverthorn, N., & Valentine, J. C. (2011). How effective are mentoring programs for youth? Psychological Bulletin, 137(2), 202–235. — 73研究のメタ分析。全体の効果量d=0.21。構造化されたプログラムで効果が大きいことを示した。
  • EEF (2021). Mentoring: Evidence review. — 効果量+2ヶ月。学力よりも態度・行動面での効果が確認される。

関連する学習指導要領

参考にしている情報源
EEF Teaching and Learning Toolkit — Mentoring