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Strategy — 出典の最終確認 2026-09-28

EEF Hattie

指導法

検索練習(テスト効果)

テストを「評価」のためではなく「学習」のために使う。思い出す行為そのものが記憶を強化するという認知科学の知見に基づく手法。

学習効果
+5ヶ月
3月時点で、通常より約5ヶ月先の学力水準に到達
エビデンス
★★★★☆
コスト
¥····
対象
全教科
全学年
Evidence Breakdown

出典別のエビデンス

EEF エビデンスレビュー

EEF Toolkit に検索練習の独立したエントリは無い。EEF は 2021 年の認知科学レビュー(Cognitive science approaches in the classroom)で検索練習を取り上げ、「教師が検討すべき有望な手法」と評価している。ただし、同レビューが見た再読との比較研究 21 本のうち、普段の担任が実施したものは 1 本だけだった。

Hattie (Visible Learning) d = 0.54

Hattie の効果量は他のメタ分析と比べて楽観的な傾向があり、再現性に疑問が示されている場合があります。参考値としてお読みください。詳しくは エビデンスの文脈 を参照。

d = 0.54 は Visible Learning の 2017 年版一覧(Visible Learningplus、2017 年 11 月版)の Practice testing の値。現行のデータベース(Visible Learning MetaX)では、同名の Practice testing が 0.40、Retrieval practice が 0.53。Roediger & Butler(2011)のレビューで再読に対する優位性が一貫して報告されている。Adesope, Trevisan & Sundararajan(2017)のメタ分析では、再読との比較で g=0.51。Dunlosky et al.(2013)が『高い有用性』に分類。

Technical Appendix 研究の詳細
研究数
118 件
総サンプルサイズ
118 論文 / 272 効果量、参加者 15,427 名(小学校〜高等教育。大半は大学生。実験室 223・教室 30 の効果量)
効果量
全体で Hedges' g = 0.61。再読との比較では 0.51、何もしない・無関係な活動との比較では 0.93
主要エビデンスレビュー
エビデンスの限界

テスト形式で効果量が変わり、形式を混ぜたテスト(g = 0.80)と選択式(0.70)が大きかった。最終テストまでの間隔は、1 日未満より 1〜6 日の方が大きかった(0.82)。練習テストは 1 回の方が 2 回以上より大きかった(0.70 対 0.51)。フィードバックの有無では有意な差がなかった(0.63 対 0.60)。学校段階では中等教育が最も大きかった(0.83。小学校 0.64・高等教育 0.60)。教室(0.67)と実験室(0.62)で差はなかった。

日本の文脈で考慮したいこと

日本の教室では『テスト = 評価・成績』という文化が強く、『学ぶためのテスト』という位置づけの転換が必要。小テストを点数化せず、「何を覚えていたか自分で確認するための道具」として運用する工夫が鍵。ただし、既に日本の小学校で広く行われている「漢字ドリル」「計算プリント」「百マス計算」は検索練習の性質を持っており、認知科学的な裏付けがある実践と言える。

なぜこの注記があるか:エビデンスと文化的文脈

目次(7)
  1. 一言でいうと
  2. なぜ効果があるのか
  3. 日本の小学校で取り入れるヒント
  4. 研究からわかっていること
  5. 注意したいこと
  6. 主な参考研究
  7. 関連する学習指導要領

一言でいうと

教科書を何度も読み返すより、本を閉じて「何を覚えているか」を思い出す方が記憶に残ります。 テストやクイズを「成績をつける道具」ではなく「学ぶための道具」として活用する考え方です。

なぜ効果があるのか

記憶は「入れる」作業より「出す」作業で強化されます。思い出そうとする努力が、脳内の記憶の経路を強くするのです。 教科書を繰り返し読む(再読)は「わかった気」にはなりますが、実際の定着率は低いことが多くの研究で示されています。 検索練習は、この「出す」作業を意図的に組み込む手法です。

日本の小学校で取り入れるヒント

  • 授業の最初の3分間で、前回の学習内容を「何も見ずに」思い出させる(ミニクイズ)
  • テストの点数はつけず、「どのくらい覚えていたか」を自分で確認させる(形成的評価)
  • 社会科の復習で「教科書を見ないで、昨日学んだことを3つ書いてみよう」と問いかける
  • フラッシュカードやペアでの問題の出し合いも効果的な検索練習になる
  • 間違えた問題こそ学びのチャンスであることを子どもに伝え、安心できる雰囲気を作る

研究からわかっていること

  • 検索練習は、再読よりも長期的な定着に優れることが多くの実験で繰り返し示されています。
  • 研究は言語・歴史・算数(数学)・理科など幅広い教科で行われています。ただし、事実を思い出す以外の、より複雑な学習にも同じように効くかは、まだはっきりしていません。
  • 「思い出せなかった」経験が、次の学習への動機づけにつながることも示されています。
  • 小テストの後のフィードバックについては、メタ分析の間で結果が分かれています。教室で行われた 222 研究をまとめた Yang et al.(2021)では、正答を示すフィードバックが効果を左右する要因の一つでした。一方、118 論文をまとめた Adesope et al.(2017)では、フィードバックの有無で有意な差は見られませんでした。

注意したいこと

  • 「テスト=成績評価」という文化が強い場合、子どもが不安を感じることがあります。「これは練習だよ」という位置づけを明確にしてください。
  • 検索練習だけで理解が深まるわけではありません。最初の学習の質が前提です。
  • 高頻度の小テストが「テスト漬け」にならないよう、楽しく取り組める工夫が大切です。

主な参考研究

関連する学習指導要領

  • 小学校学習指導要領解説 総則編 — 基礎的・基本的な知識と技能を確実に習得させることが、繰り返し強調されています。検索練習は知識の定着を科学的に支える手法として、この目標の実現に直結します。
参考にしている情報源
Roediger & Butler (2011) — The critical role of retrieval practice in long-term retention
このページを引用するときの表記例

「検索練習(テスト効果)」EduEvidence JP(CC BY-SA 4.0)。https://edu-evidence.org/strategies/retrieval-practice/ (出典の最終確認 2026-09-28、参照 YYYY-MM-DD)

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